平凡な私の獣騎士団もふもふライフ4
肩を抱いて支えてくれているジェドの温かさを感じながら、婚約指輪をしている手を胸に抱き締める。真っすぐ彼らを見つめた。
「お願い。発動しそうになっている魔法の魔力を、散らして欲しいの」
声を出した瞬間は、口が渇いたみたいに重く感じた。
白獣たちが、ほんのわずかに間を置いた。リズがいよいよ緊張したのも束の間、彼らがふっと頭を上げた。
《――承知した。容易いこと》
そう答えたかと思ったら、彼らが一斉に飛び出して行った。
展望台に爆風が巻き起こって、見守っていた魔女がローブで身をかばいながら舌打ちする。
「ったく、荒っぽい連中だ! 少しは人間の事情も考えて欲しいものだね」
「ふんっ」
尻尾でリズとジェドを守ったカルロが、全くだと言いたげに鼻を鳴らした。
大型級の白獣たちが、隊列を組んで真っすぐ青い薔薇へ向かっていった。ぶつかった次の瞬間、空に青銀の光が炸裂した。
太陽よりも眩しい光と共に、新たな衝撃波が空気を震わせた。
リズは離れてしまわないよう、咄嗟にジェドと抱き合った。
やがて風がやむ。気づいて目を向けた時には、空に浮いていた青い薔薇も花弁も消えていた。
青空には、グレインベルトへと戻って行く白獣たちがいた。もう用はないと言わんばかりに、彼らの姿はあっという間に見えなくなっていった。
魔法が、消えた。
「お願い。発動しそうになっている魔法の魔力を、散らして欲しいの」
声を出した瞬間は、口が渇いたみたいに重く感じた。
白獣たちが、ほんのわずかに間を置いた。リズがいよいよ緊張したのも束の間、彼らがふっと頭を上げた。
《――承知した。容易いこと》
そう答えたかと思ったら、彼らが一斉に飛び出して行った。
展望台に爆風が巻き起こって、見守っていた魔女がローブで身をかばいながら舌打ちする。
「ったく、荒っぽい連中だ! 少しは人間の事情も考えて欲しいものだね」
「ふんっ」
尻尾でリズとジェドを守ったカルロが、全くだと言いたげに鼻を鳴らした。
大型級の白獣たちが、隊列を組んで真っすぐ青い薔薇へ向かっていった。ぶつかった次の瞬間、空に青銀の光が炸裂した。
太陽よりも眩しい光と共に、新たな衝撃波が空気を震わせた。
リズは離れてしまわないよう、咄嗟にジェドと抱き合った。
やがて風がやむ。気づいて目を向けた時には、空に浮いていた青い薔薇も花弁も消えていた。
青空には、グレインベルトへと戻って行く白獣たちがいた。もう用はないと言わんばかりに、彼らの姿はあっという間に見えなくなっていった。
魔法が、消えた。