平凡な私の獣騎士団もふもふライフ4
グレイソン伯爵と獣騎士団がやってくれたのだ。動けるようになった王都と城の者たちが、確かに見た白獣の退去を前に歓声を上げた。
◆§◆§◆
「なんというか……いまだ現実だったのか、信じられませんね」
ぽかんと空を眺めていたコーマックが、下から聞こえてきた人々の喜びの声を聞いてそう言った。
それはリズたちも同じだった。単独で飛行までしてしまえる白獣。しかも、十三頭が全て〝人の声〟で話せるだなんて……。
「リズ、怪我は?」
手を添えたままジェドの青い目に覗き込まれて、リズは我に返った。
「え? ああ、大丈夫です」
「そうか、良かった」
無事に危機を乗り越えた安心感からか、その笑顔が二割り増しに魅力的に輝いていて、リズは顔を赤らめ咄嗟に目を落とした。
トナーたちが展望台へと降り立つ。
しかし和みそうになった空気は、シモンの一声に引き締まった。
「魔女が光ってる!」
一瞬どういうことなのか分からなかった。
パッと振り返ったリズは、短い悲鳴を上げた。そこには光を帯び、半ば透けて向こうが見え出している魔女の姿があった。
「光ってるんじゃなくて、消えかかってるんだっ、バカッ」
「あいたっ」
獣騎士の一人が、シモンの頭に軽く拳骨を落とした。
カルロが冷静に見守る中、相棒騎士たちが慌てて駆け寄るのを、エリーたち相棒獣が心配そうにしておろおろとする。
◆§◆§◆
「なんというか……いまだ現実だったのか、信じられませんね」
ぽかんと空を眺めていたコーマックが、下から聞こえてきた人々の喜びの声を聞いてそう言った。
それはリズたちも同じだった。単独で飛行までしてしまえる白獣。しかも、十三頭が全て〝人の声〟で話せるだなんて……。
「リズ、怪我は?」
手を添えたままジェドの青い目に覗き込まれて、リズは我に返った。
「え? ああ、大丈夫です」
「そうか、良かった」
無事に危機を乗り越えた安心感からか、その笑顔が二割り増しに魅力的に輝いていて、リズは顔を赤らめ咄嗟に目を落とした。
トナーたちが展望台へと降り立つ。
しかし和みそうになった空気は、シモンの一声に引き締まった。
「魔女が光ってる!」
一瞬どういうことなのか分からなかった。
パッと振り返ったリズは、短い悲鳴を上げた。そこには光を帯び、半ば透けて向こうが見え出している魔女の姿があった。
「光ってるんじゃなくて、消えかかってるんだっ、バカッ」
「あいたっ」
獣騎士の一人が、シモンの頭に軽く拳骨を落とした。
カルロが冷静に見守る中、相棒騎士たちが慌てて駆け寄るのを、エリーたち相棒獣が心配そうにしておろおろとする。