平凡な私の獣騎士団もふもふライフ4
ジェドが残念そうに離れる。諦め難いのか、指でリズの唇の近くをくすぐってきた。

「口紅がついていなかったら、できたのにな。キスをしたら、せっかくの紅が落ちてしまうから」

かぁっとリズは顔が熱くなった。

「衣装を着る前に、さ、散々したじゃないですかっ」

「全然足りないよ。でも、ま、あと少しニコラスが喋っていてくれれば、もうしばらくは甘い時間を楽しく過ごせそうだ」

ジェドが首に頭を埋めてきて、リズは慌てた。

「だ、だめよ、人が来ちゃったら」

ちゅ、ちゅっとドレスから覗いた肌にキスされ、甘く広がっていく感触にリズは身を震わせた。

「あ……ジェド。こういうのは、二人でゆっくりしている時にって言ったのに」

「唇にキスができなくて、我慢が利かない」

我儘!

そう思ったけど、リズも彼を甘やかして首に腕を回した。ジェドが背を支え、優しいキスを繰り返し落としていく。

「ここにも、今夜、キスマークをつけるから」

耳の下に口づけられて、ほんの少しだけ吸われてぴくんっと体がはねた。

「リズ、他にどこをキスして欲しい?」

「……んっ……ジェドがしてくれるのは、全部好きよ」

唇へのキスだけでなく、彼がしてくれる指先へのキスも、手の甲への口付けも、こうして触れてくる全てがリズの胸を甘く蕩けさせる。

いつも、リクエストにも応えて、ゆっくりずつ慣らしてくれるジェド。

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