平凡な私の獣騎士団もふもふライフ4
リズは、指を絡めた彼に寄り添った。もう緊張はなかった。

二階の立ち見席にはカルロたちが。すぐ下の席にはコーマックやシモンたちが獣騎士団の礼服姿で座っていて、リズとジェドの登場を待っている。

カルロたちは今回の活躍を感謝され、今朝まで肉の差し入れが山のように届いていた。恐れるのではなく、獣騎士団の戦士として同じく温かな声援を送ってくれていることが、リズには嬉しかった。

この館内への招待も、とてつもなく喜ばしい。カルロたちにも結婚式を最初から最後まで見ていて欲しいと、ずっと思っていたから。

《リズが来た! 綺麗だなぁ、おめでとー!》

《小僧、拙い言葉ではしゃぐな。煩い。あと、俺らの声は聞こえない》

《カルロさんひどくない!? トナーから色々言葉を覚えて、こんなにも使えるようになったのに!》

不意に、二階部分からそんな〝声〟がした。

《喚かない、耳にわずらわしいですよ》

《リーダーもひどい! 女みたいに綺麗にしてる変な白獣!》

《なっ、美しくあるべきでしょう! 我々は誇らしき白獣なのですよ!》

《ただの綺麗好きの上品坊っちゃんじゃん》

《この前リズと喋ったって本当? めっちゃ羨ましいんだけど》

《喋りまくってんので嬉しさが格式れてないとか、ウケる》

《君たちっ、その人間的言葉はおやめなさい!》

……ん?

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