平凡な私の獣騎士団もふもふライフ4
「はいっ、ありがとうございます」
リズは、彼の手を握り返した。だが、ジェドが後ろから彼女を片腕で抱き寄せて取り返し、ベルベネット子爵の手もぺいっと払った。
「うふふ、つれないですねグレイソン伯爵。もう結婚の秒読みだというのに、嫉妬心丸出しの男はモテませんよ」
「うるせぇ。リズにだけモテたいんだよ、俺は」
「そうでしたか。結婚式も実に楽しみです。おや、握手してくださらないんですか?」
「リズとの時間を邪魔しやがったヤローの手を握る義理はねぇ」
「おやおや、素の口調が出ていますが大丈夫ですか? まっ、そのつれなさも白獣みたいでいいですよね!」
遭遇したらパクリといかれるけど……。
リズは、急に一人だけ楽しそうなテンションになったベルベネット子爵を見て、入団当時の説明を思い返した。
国内で唯一の魔力保有生物である白獣は、獣騎士以外には獰猛獣だ。たまたま獣騎士団の分館の事務員として採用されたリズは、偶然にも白獣が受け入れてくれたから大丈夫だった。
遥か昔、白獣は〝荒らぶる神の番犬〟と恐れられた。
今もそれは変わっていない。しかしベルベネット子爵は、白獣と、長い歴史を共にしてきた〝領主、グレイソン伯爵〟に興味があるのだとか。
ジェドにもカルロにも友好的な彼のことを、リズは好ましく思っていた。
「どうして侯爵様のお屋敷に?」
リズは、彼の手を握り返した。だが、ジェドが後ろから彼女を片腕で抱き寄せて取り返し、ベルベネット子爵の手もぺいっと払った。
「うふふ、つれないですねグレイソン伯爵。もう結婚の秒読みだというのに、嫉妬心丸出しの男はモテませんよ」
「うるせぇ。リズにだけモテたいんだよ、俺は」
「そうでしたか。結婚式も実に楽しみです。おや、握手してくださらないんですか?」
「リズとの時間を邪魔しやがったヤローの手を握る義理はねぇ」
「おやおや、素の口調が出ていますが大丈夫ですか? まっ、そのつれなさも白獣みたいでいいですよね!」
遭遇したらパクリといかれるけど……。
リズは、急に一人だけ楽しそうなテンションになったベルベネット子爵を見て、入団当時の説明を思い返した。
国内で唯一の魔力保有生物である白獣は、獣騎士以外には獰猛獣だ。たまたま獣騎士団の分館の事務員として採用されたリズは、偶然にも白獣が受け入れてくれたから大丈夫だった。
遥か昔、白獣は〝荒らぶる神の番犬〟と恐れられた。
今もそれは変わっていない。しかしベルベネット子爵は、白獣と、長い歴史を共にしてきた〝領主、グレイソン伯爵〟に興味があるのだとか。
ジェドにもカルロにも友好的な彼のことを、リズは好ましく思っていた。
「どうして侯爵様のお屋敷に?」