平凡な私の獣騎士団もふもふライフ4
「う、嬉しいことも全部言ってくれと言ったのは、団長様ですよ」

リズは、恥ずかしがりながらも言い返した。

最近、ジェドのそういう様子を見るのも、意外と好きみたいだと気づいた。本当に好きでいてくれているんだと、実感するから。

彼がたまに意地悪をして、リズを恥ずかしがらせるのもそのせいなのだ。

そう考えると、ますます愛情を覚える。だが、もう限界だ。照れたジェドの顔を見ていたリズも、とうとう耳まで真っ赤になって俯いた。

「それに、い、いつも恥ずかしがらせてくるのは、団長様の方ですし」

「そ……それは、リズが可愛いからであって……」

顔の下を手で覆い、ジェドがごにょごにょと続ける。

照れ合って、二人は目を合わせられない。すると退散を決め、ベルベネット子爵が立ち上がった。

「子爵様?」

「それじゃ、私は先に戻りますね。ごゆっくり」

にこっと微笑んだベルベネット子爵が、含むような笑みを浮かべ、流れるようにそう言って部屋を出ていった。

二人きりで残されてしまった。

ぽかんとした静寂を聞いていたのも、ほんの少しだった。

「あいつにしては気が利くな。ゆっくり愛を育める」

不意に手を取られて、リズは心臓がはねた。見つめ返すと、距離を詰め、ジェドが悠然と美しく微笑んでくる顔があった。

指を絡め、くすぐるように手を握られて焦る。

「だ、団長様ったら」

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