平凡な私の獣騎士団もふもふライフ4
「じゃあ、入れ違いだったのかもしれないな。つい最近、十五番街からこっちに流れてきたばっかりなんだよ。とても人気でね、入荷してもあっという間に売れていくんだ。向こうの三軒の店も、午前中で完売していたよ」
説明してくれた男性店主の話によると、王都では前々から人気が爆発的に広がっていたそうだ。噂は噂を呼び、生産が増し、そしてようやく王都の中心地近くまで流れてきた、と。
「増産できるということは、有名な会社が作っていたりするんですか?」
リズは気になって尋ねた。
「いや? 企業物じゃないよ」
「とすると、その青い薔薇はよほど人気の占い師の商品なのでしょうね」
「さぁ」
「『さあ』?」
コーマックの表情に、初めて不信感が浮かぶ。
「こんなにも人気なのに、もしかして出元も分からないのですか?」
「流行りってのは、いつの間にか人気が出てみんな同じ商品を作っていくもんさ。青い薔薇のモチーフは、売れるからよく使われるんだよ」
つまり、たくさんの占い師がそれにあやかって作っている、と。
それが青い薔薇だから売れる、というのには疑問を覚えたが、リズはそれよりも気になったことがあった。
周囲を見渡してみると、確かに人気のようでいくつかの店の前に、商品として青い薔薇の造花が置かれているのが見えた。でも……。
「……私には、全部〝同じ薔薇〟に見えるわ」
説明してくれた男性店主の話によると、王都では前々から人気が爆発的に広がっていたそうだ。噂は噂を呼び、生産が増し、そしてようやく王都の中心地近くまで流れてきた、と。
「増産できるということは、有名な会社が作っていたりするんですか?」
リズは気になって尋ねた。
「いや? 企業物じゃないよ」
「とすると、その青い薔薇はよほど人気の占い師の商品なのでしょうね」
「さぁ」
「『さあ』?」
コーマックの表情に、初めて不信感が浮かぶ。
「こんなにも人気なのに、もしかして出元も分からないのですか?」
「流行りってのは、いつの間にか人気が出てみんな同じ商品を作っていくもんさ。青い薔薇のモチーフは、売れるからよく使われるんだよ」
つまり、たくさんの占い師がそれにあやかって作っている、と。
それが青い薔薇だから売れる、というのには疑問を覚えたが、リズはそれよりも気になったことがあった。
周囲を見渡してみると、確かに人気のようでいくつかの店の前に、商品として青い薔薇の造花が置かれているのが見えた。でも……。
「……私には、全部〝同じ薔薇〟に見えるわ」