平凡な私の獣騎士団もふもふライフ4
気のせいだとは思う。しかしリズには、別々の人たちが作った模造品だとは思えなかった。
薔薇は、青い色素を持っていない。
生花としては存在していないので、作られたものであるのは分かる。でも、だからこそ、この世にはない花を見せられているように感じてしまうのか?
「副団長様、行きましょう」
「え、しかし」
リズの反応を気にして見ていたコーマックが、突然背を押されて戸惑う。シモンも彼女に協力してきた。
「さっ、行こうぜ副団長さん」
「君、僕は上司だと何度も説明しているのに……」
けれど、女性がたくさん集まっている屋台ということもあってか、結局はコーマックが「分かりました」と折れた。
人混みに流されないよう固まりつつ、帰り道を進む。
何度目かの『占い』の旗を通り過ぎた時、不意にコーマックが首を捻った。
「副団長様、どうかされましたか?」
「あ、いえ。そういえば店主が『青い薔薇はよく使われるから』と話していた時、何か思い出しそうな気がしたんですよね」
けれど、それがなんなのかピンとこないらしい。
そちらに関しては、リズも気になっていた。
「でも商品によく使われるモチーフと言われても、覚えがないのよね」
「俺も、薔薇のモチーフとか見たことない。でも、ここでは定番みたいだね」
シモンが荷物を持っていない方の手で指差す。
薔薇は、青い色素を持っていない。
生花としては存在していないので、作られたものであるのは分かる。でも、だからこそ、この世にはない花を見せられているように感じてしまうのか?
「副団長様、行きましょう」
「え、しかし」
リズの反応を気にして見ていたコーマックが、突然背を押されて戸惑う。シモンも彼女に協力してきた。
「さっ、行こうぜ副団長さん」
「君、僕は上司だと何度も説明しているのに……」
けれど、女性がたくさん集まっている屋台ということもあってか、結局はコーマックが「分かりました」と折れた。
人混みに流されないよう固まりつつ、帰り道を進む。
何度目かの『占い』の旗を通り過ぎた時、不意にコーマックが首を捻った。
「副団長様、どうかされましたか?」
「あ、いえ。そういえば店主が『青い薔薇はよく使われるから』と話していた時、何か思い出しそうな気がしたんですよね」
けれど、それがなんなのかピンとこないらしい。
そちらに関しては、リズも気になっていた。
「でも商品によく使われるモチーフと言われても、覚えがないのよね」
「俺も、薔薇のモチーフとか見たことない。でも、ここでは定番みたいだね」
シモンが荷物を持っていない方の手で指差す。