吸血鬼くんと、キスより甘い溺愛契約〜無気力なイケメン同級生に、とろけるほど愛されています〜
「……そーだ。名前教えて」
「あ、えっと、忽那真白です!」
「名前もかわいーんだね」
「ふへ?」
名前も可愛い? 他に何か可愛いものあるのかな?
よくわからなくて首を傾げて見つめると。
「なんか……真白って自然な可愛さあるね」
「ま、真白!?」
「……そんな驚く?」
「いや、えっと……その、男の子に下の名前で呼ばれたこと、そんなになくて」
わたしがひとりで慌てていると、愉しそうに笑いながら、優しい手つきで頬を撫でてくる。
お互いの目線がしっかり絡んで――見つめられて、たった数秒。
「あ、う……っ」
プシューッと効果音が出ちゃいそうなくらい、顔が一気に熱くなっていく。
こんなに、まじまじと男の子に顔を見られるの耐えられないよぉ……っ。