吸血鬼くんと、キスより甘い溺愛契約〜無気力なイケメン同級生に、とろけるほど愛されています〜
「……試しにやってみる?」
「そんな、ちょっと待って……っ」
もう少し考える時間が欲しいのに。
「いーじゃん。俺が契約相手で」
「う……っ」
音季くんの綺麗すぎる顔が、ほぼ目の前。
慣れない距離に心臓が忙しくドクドク動いてる。
ジッと見つめられて、音季くんの指先が軽くわたしの唇をなぞってくる。
「真白は何もしなくていーよ」
フッと目の前が暗くなって。
唇に触れた――やわらかい感触。
これって……キスしてる……?
目をぱちくりするけど、澄んだ瞳にとらえられて少しも動けない。
「……少し口あけて」
「ふ……っ、ぅ……」
ちょっとの間、息を止めていたせいで苦しい。