吸血鬼くんと、キスより甘い溺愛契約〜無気力なイケメン同級生に、とろけるほど愛されています〜



口元をキュッと結んだままでいると……。


誘うように唇をペロッと舐められて、びっくりした反動でわずかに口元がゆるんだ。


それを見逃さなかったように、スッと口の中に熱が入り込んできて何も考えられない……っ。


「もっと……舌出して」

「ふぇ……っ」


「……ちょっと痛いかも」


さっきのバラのトゲとは違う痛み。

軽く舌を噛まれて、ほぼ無意識に音季くんの制服の裾をクシャッとつかむ。


「う……あ……っ」

身体の奥がジンッと熱くて、口の中にわずかに広がっていく血の味。


でも、それは一瞬で――ぜんぶ音季くんが吸い取る……から。

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