吸血鬼くんと、キスより甘い溺愛契約〜無気力なイケメン同級生に、とろけるほど愛されています〜
唇に触れてる熱と、口の中にある熱と。
いろんな熱が、かき乱してくるせいで頭の芯がジーンとしてくる。
今までに感じたことのないものに襲われて、どうしたらいいかわかんない……っ。
でも、触れてる唇が優しいから……怖い気持ちはどこにもなくて。
「……あと少しね」
「ん……っ」
唇が離れたと思ったら……今度は首筋にキスが落ちる。
慣らすように舌で軽くツーッと舐められて――。
「……もうちょっと我慢して」
最初は一瞬チクリと痛くて……そのあと一気に襲いかかってくる痛み。
首筋を強く噛まれて、身体の中で何かが吸い取られていくような感覚。
次第に自分の力で身体を支えるのが難しくなって、フラッと音季くんのほうへ倒れ込み、すべてをあずける。
「……ん、できた」
鼓膜を揺さぶるように、そんな声が耳元で聞こえる。