吸血鬼くんと、キスより甘い溺愛契約〜無気力なイケメン同級生に、とろけるほど愛されています〜
手早く準備をしていると、音季くんが部屋に戻ってきた。
「……なんかいい匂いする」
「あっ、いま晩ごはん作ってて。えっと、音季くんは、わたしと同じもの食べられるのかな?」
「吸血鬼もフツーに人間と同じ食事するよ。まあ、血がないと生きていけないけど」
「そ、そうなんだ」
まだまだ知らないことがたくさん。
「……で、何作ってんの?」
背後に立って、わたしの肩に顎をコツンと乗せて鍋の中を覗き込んでる。
「ひゃっ、あの……っ、近い……っ」
「んー……?」
わたしが言ってることはスルーして、お構いなしに距離を詰めてくる。
「と、音季くん……っ」
「これ、髪まとめてるのいーね」
「へ……っ?」
「ゆらゆら揺れてる」
「ポニーテール……です」
胸より少し上くらいに伸ばした髪は料理するときは、まとめたほうがいいかなって。
「首筋見えると噛みたくなる」
「か、かみ……っ!?」
「また夜……寝る前にちょーだいね」