吸血鬼くんと、キスより甘い溺愛契約〜無気力なイケメン同級生に、とろけるほど愛されています〜
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そんなこんなで、あっという間に寝る時間。
お風呂をすませて、ベッドの上で寝る準備をしていたら。
ギシッと軋む音がして、振り返るひまもなく。
「……まーしろ」
「ひゃっ……」
同じシャンプーの匂いが鼻をかすめたと同時に、ガバッと後ろから大きな身体に覆われた。
「……寝る前にちょーだい」
「ちょ、ちょうだい?」
何をって聞こうとしたけど、音季くんが首筋を指でなぞってくるから、何が欲しいのか理解した。
「え、えっと。わたしは何したらいいのかな」
「ぜんぶ俺にあずけてくれたらいーよ」
身体の向きをくるりと変えられて、向かい合わせ。
ほんとは血をあげる行為は、まだ少し怖くて緊張する。