吸血鬼くんと、キスより甘い溺愛契約〜無気力なイケメン同級生に、とろけるほど愛されています〜



***


そんなこんなで、あっという間に寝る時間。


お風呂をすませて、ベッドの上で寝る準備をしていたら。


ギシッと軋む音がして、振り返るひまもなく。


「……まーしろ」

「ひゃっ……」


同じシャンプーの匂いが鼻をかすめたと同時に、ガバッと後ろから大きな身体に覆われた。


「……寝る前にちょーだい」

「ちょ、ちょうだい?」


何をって聞こうとしたけど、音季くんが首筋を指でなぞってくるから、何が欲しいのか理解した。


「え、えっと。わたしは何したらいいのかな」

「ぜんぶ俺にあずけてくれたらいーよ」


身体の向きをくるりと変えられて、向かい合わせ。


ほんとは血をあげる行為は、まだ少し怖くて緊張する。

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