吸血鬼くんと、キスより甘い溺愛契約〜無気力なイケメン同級生に、とろけるほど愛されています〜



「それじゃ、実際にやってみましょうか」


高嶺先生がそう言うと、ピッと音がしてソファの周りがカーテンで囲まれた。

周りから何も見えない、簡単な密室空間。



「今からするのは、吸血行為のシミュレーションみたいなものだから、実際にはしなくていいからね。ただ、今授業で教えたことを意識してね」


パッと音季くんを見たら、さっきよりも距離を詰めてきて横からギュッと抱きついてきた。


「……これ、いーね。真白に何しても周りに見られないし」


「へ、変なことしちゃダメだよ……っ?」

「ふっ……どんなことされるの想像してんの?」


耳元で、ささやくように甘くて低い声が落ちてくる。


「そんなイジワル言わないで……っ」

「真白がかわいーから」


授業中なのに、イケナイコトをしてる気分。


すると、すかさず高嶺先生が。


「カーテンで仕切っているから見えないけど、声は聞こえるから注意してね?」


まるで、わたしたちの声が聞こえているみたいな口ぶり。
< 55 / 64 >

この作品をシェア

pagetop