吸血鬼くんと、キスより甘い溺愛契約〜無気力なイケメン同級生に、とろけるほど愛されています〜
***
すべての授業が終わって寮に帰ってから。
「もう! 音季くんひどいよ……! いつもあんなにイジワルしないのに!」
特別授業で音季くんがイジワルばっかりするから、わたしはちょっと怒ってる。
マイペースな音季くんは、そんなのお構いなしで平常運転。
「声我慢してた真白可愛かった」
「なっ……ぅ……」
音季くんの“可愛い”に、ころっと簡単にドキドキしちゃうわたしの心臓もおかしい。
最近、音季くんに“可愛い”って言われるたびに、胸がキュッて縮まるような感じがして、すぐに顔が熱くなる。
「もっとさ、あんな授業あればいーのにね」
「も、もうやだ……っ!」
プイッと音季くんのほうを向くのをやめて、奥の自分のベッドまで逃げる。
そのままクッションを抱えて、音季くんに背を向けていると。
「……やだなんて言わないで」
甘えたモード発動の音季くんが、後ろから優しく抱きしめてきた。