吸血鬼くんと、キスより甘い溺愛契約〜無気力なイケメン同級生に、とろけるほど愛されています〜
「で、でも特別授業のときのイジワルはやりすぎだよ……!」
「それは真白が可愛すぎるのが悪いんじゃなくて?」
「だ、だって周りに人がいたのに」
「だったら、ふたりっきりならいーの?」
「へ……っ」
「奥の部屋のベッド……いこーよ」
今まで一度も入ってない――奥の部屋。
だってそこの部屋には、ふたりで眠る専用の大きなベッドしかないって聞いているから。
音季くんは、わたしがお願いされたら断れないのを知ってる。
なんだかんだ、音季くんのおねだりに弱くて、甘やかしすぎちゃってるかも。
「……なんも言わないってことは、いいんだ?」
首だけくるっと後ろに向けたら、勝ち誇ったような顔をして笑ってる音季くんがいた。
「嫌だったら、俺のこと突き飛ばしていーよ」
……そう言いながら、わたしの身体をひょいっと抱きあげて、お姫様抱っこ。
いきなりのことにびっくりして、とっさに音季くんの首筋に腕を回してギュッて抱きつくと。
「……かわいー」
って、うれしそうな声で抱きしめ返してくるから何も言えなくなって、連れて行かれちゃう。