吸血鬼くんと、キスより甘い溺愛契約〜無気力なイケメン同級生に、とろけるほど愛されています〜
「……なーに。俺の顔に何かついてる?」
いきなり顔をグイッと近づけてきて、びっくりした拍子にちょっと後ずさり。
「えっ、あ……いや、すごく綺麗な顔立ちだなって……!」
は……っ。初対面なのにいきなりこんなこと言ったら、何言ってるの?とか思われるかな。
「へぇ……。あんま言われたことないかも」
嘘だ、ぜったい嘘。
こんなに整った容姿を持っているのに、褒めない人がいないわけないもん。
「え、えっと……バラの校章ってことは……」
「お察しのとおり。俺は人間じゃないよ」
軽く口角をあげて笑ったときに見えた――少し鋭そうな八重歯。
まさか、いきなり吸血鬼に出会うなんて。