吸血鬼くんと、キスより甘い溺愛契約〜無気力なイケメン同級生に、とろけるほど愛されています〜
「……へぇ。そんなふうに気遣ってくれる子はじめて」
「あっ、やっぱり光に弱いですか! それじゃあ、こんなところにいたら危ないですよ!」
日陰を探さないとって、周りをキョロキョロ見渡すけど、どこも日差しが当たるところばかり。
「あ、じゃあ、これよかったら被ってください!」
ちょっとでも光を避けるために、自分が着ているボレロを脱いで頭から被せてあげたら。
びっくりした顔っていうか、何してるの?って顔で見られちゃった。
あ、あれ。わたし変なことしちゃってるのかな。
「ふっ……。やること面白いね」
「えっ?」
「せっかく気遣ってくれたけど、日光に当たっても別に平気だから」
「そ、そうなんですね! 気分とか悪くなったら大変だと思って」
どうやら、わたしの勘違いみたいでよかったぁ。
「……優しいんだね」
クスクス笑って、わたしの肩にボレロをかけてくれた。