吸血鬼くんと、キスより甘い溺愛契約〜無気力なイケメン同級生に、とろけるほど愛されています〜



「……へぇ。そんなふうに気遣ってくれる子はじめて」


「あっ、やっぱり光に弱いですか! それじゃあ、こんなところにいたら危ないですよ!」


日陰を探さないとって、周りをキョロキョロ見渡すけど、どこも日差しが当たるところばかり。


「あ、じゃあ、これよかったら被ってください!」


ちょっとでも光を避けるために、自分が着ているボレロを脱いで頭から被せてあげたら。


びっくりした顔っていうか、何してるの?って顔で見られちゃった。

あ、あれ。わたし変なことしちゃってるのかな。



「ふっ……。やること面白いね」

「えっ?」


「せっかく気遣ってくれたけど、日光に当たっても別に平気だから」


「そ、そうなんですね! 気分とか悪くなったら大変だと思って」


どうやら、わたしの勘違いみたいでよかったぁ。


「……優しいんだね」

クスクス笑って、わたしの肩にボレロをかけてくれた。

< 9 / 64 >

この作品をシェア

pagetop