suitememorys.
高校デビュー。

「ちょっとーッ!?美沙ぁ?起きなさーい!」

なんか一階から声が聞こえるんですけど…
でも眠いし?…あと2~3分くらいどーってことないでしょ!
「こら!さっさと起きなさい!何回言ったら分かるのこの娘は!」
『ん~…』
そう言って私は時計に目をやる
『あぁッ!』
ちょっと…どーしよう!遅刻するんですけど!!
『ちょっと、お母さん!もう少し早く起こしてよ』
「何言ってるのよ…お母さんは30分前から起こしてるのよ?」
「早く着替えてご飯たべなさい」
私は、やれやれと言うように大きなため息をつくお母さんを見つつ、真新しい制服に手を伸ばす。

今日は入学式だというのに寝坊してしまったのだ。

『あー。もうどうしよッ!』
バサバサと音を立てながら制服を着る。
「美沙ぁ?朝食は?」
『いらない!』
ドタドタと階段を降り、玄関へ急ぐ。
『じゃぁ。行ってきます!』
「いってらっしゃい。早く帰ってくるのよ?」
『はぁ―――い!』


私は【田中 美沙】活発な野郎…違ッ 活発な乙女でーっす
って冗談はさておき。
馬路で遅刻しそうだから!

あー やっべ。
駅まであと7分くらい?
で?電車出発まであと4分?
わぁーどーしよー★
なんて言ってる場合じゃない!

全速力で走ればなんとか…なんとか…
多分いけるでしょ!
うん、がんばれ私!

「あらぁ?田中さんとこの【オテンバチャン】かしら?おはよう」
『斎藤のおばちゃん!おはようッ!』
「あらあら今日も元気ね★」
『おばさんこそッ★』
『って…やばいんだった!おばちゃんバイバイ!』

私は近所で有名な遅刻魔である。
通称【田中さん家のオテンバチャン】
あだ名は略して【テンチャン】である
そこそこ可愛くね?




< 1 / 3 >

この作品をシェア

pagetop