僕は、心の中の君と永遠に…
次の日は父の仕事が休みということもあり、電車に乗って、水族館に行くことになった。なぜ水族館かと言うと僕が小学生の頃、初めて家族で出かけた場所だから、それだけだ。
そういえば、いつの日か蓮ともここに来たことがあった。その時は幼すぎたのであまり記憶がないけれど、蓮が迷子になって大泣きしていたことだけは鮮明に覚えている。今思えば笑い話だ。思い出してしまってクスッと笑ってしまった。
「水族館……懐かしいわね」
母が水槽に手を当てて、微笑みながらそう言った。
「確か、春斗の好きな魚はジンベイザメだったな」
父は僕の顔を見ながら思い出すようにそう言った。
「うん、たしか…そうだった気がする」
でも、当時はかっこいいとしか思わなかった。小学生なんて、好きになる理由はどれも単純だ。今、改めて見るとデカイなと思う。
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