僕は、心の中の君と永遠に…
「そんなってまさかとは思うけど県外行くの?」
「うん!県外!でも、服はどっかで買えばいいよね?」
「服?あー別にそんなに濡れてないよ?」
違うのはわかっていたけど状況が飲み込めないので、とりあえずボケておく。彼女はまた大声で笑って、
「違うよ!泊まるんだよ!お泊まり旅行!」
そう言って新幹線のチケット一枚を僕の手に差し出してきた。僕は苦笑いをしながら、
「……冗談だよね?そもそも、そんなお金どこから湧いたの?」
ちなみに今の僕の所持金は五千円だ。銀行で下ろせばもっとあるけど。あと、僕はお小遣い制だ。月に二万親から振り込まれる。余命宣告される前は一万だったけど、母が気を使って増やしてくれた。でも、使うのは本を買う時くらいで貯まっていく一方だった。
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