みなみ東北への旅〜序章
周りの騒ついた気配で眼が覚めた。
旅の興奮で眠りは深くないのか、頭はボーッとはしていない。時計を見ると、朝の4時10分である。
連絡船「八甲田丸」は港内が近づき、ゆっくりと走っている。揺れはなく滑るような走りだ。
しばらくしてチャイムが鳴り、船内放送が始まった。
「おはようございます。あと10分で青森到着です。青森からの連絡の列車は・・・」
座敷席から外に眼をやると、すでに港内に入り、右に大きく180度回転している最中だった。8,000トンもある大きな船が、限られたスペースで反転する。優れた操舵技術に感心してしまう。タグボードも押しているのであろう、「プー」という短い汽笛が何度も聞こえてくる。空は少し白みかけているが、まだ薄暗い。
軽いショックがあって接岸した。そしてタラップが取り付けられた。4時30分定刻、下船である。
多くの乗客が乗船口からゆっくりと降りてゆく。降りた途端走る乗客もいるが、指定券を持っている人が多いのか、整然と人の流れが続く。第2桟橋口を出た。広い待合室の前を通り通路を右に曲がると、駅のホームに下りる跨線橋につながっている。
旅の興奮で眠りは深くないのか、頭はボーッとはしていない。時計を見ると、朝の4時10分である。
連絡船「八甲田丸」は港内が近づき、ゆっくりと走っている。揺れはなく滑るような走りだ。
しばらくしてチャイムが鳴り、船内放送が始まった。
「おはようございます。あと10分で青森到着です。青森からの連絡の列車は・・・」
座敷席から外に眼をやると、すでに港内に入り、右に大きく180度回転している最中だった。8,000トンもある大きな船が、限られたスペースで反転する。優れた操舵技術に感心してしまう。タグボードも押しているのであろう、「プー」という短い汽笛が何度も聞こえてくる。空は少し白みかけているが、まだ薄暗い。
軽いショックがあって接岸した。そしてタラップが取り付けられた。4時30分定刻、下船である。
多くの乗客が乗船口からゆっくりと降りてゆく。降りた途端走る乗客もいるが、指定券を持っている人が多いのか、整然と人の流れが続く。第2桟橋口を出た。広い待合室の前を通り通路を右に曲がると、駅のホームに下りる跨線橋につながっている。
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