LOVESS
「ああ。
お前の所の息子は、確か流風(るか)だっけ?」


やはり、俺の事もそうやって色々と篤は聞いてる。



「そう。最近やっと寝返りするようになって。
俺の顔見て、よく笑ってくれる」


そう話す俺の顔を、不思議そうにジッと見られて、なに?と戸惑う。


「お前のそんな顔初めて見た」


そう言われ、緩んでいた頬を引き締める。


なんとなく、自分がどんな顔していたのか想像が付いた。



「流風の写真見る?
いや、見て」


俺はスーツのポケットからスマホを手に取り、
待ち受けにしてるそれを見せる。



「へぇ。
お前にそっくりだな」


「でしょ?」


流風は生まれた時から俺そっくりで。


最近は顔立ちがハッキリとして来て、さらに俺に似て来た。


「仕方ねぇから、俺も見せてやる」


そう言って、篤も自分のスマホを取り出し、
その画像を見せてくれる。


その四人の子供達。


上の女の子達はそれほど篤に似てないが、
その四番目に生まれた成君は、篤そっくりで。


思わず、吹き出してしまう。


「あ、なんで笑う?」


そう眉間を寄せているけど。


「だって」


その成君も、不機嫌そうに眉間を寄せていて。


つい、そこまで篤に似なくても、と思ってしまった。

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