LOVESS
「あ、さっきの話なんですけど、三咲さんのお兄さんも来るんですか?」


そう三咲さんに訊くと、
答えたのは成瀬。

「そう。三咲の真ん中の兄貴とは、
前の仕事を通して、俺も仲良くさせて貰ってて。
二葉さん、っていうんだけど」


二葉…、三咲さんのように、
女性のような名前なんだな。


そして、以前の成瀬の仕事を通してもそうだし、
三咲さんのお兄さんって事は…。


やはり、それ系の人?



「あ、あの、三咲さんのお兄さんの、その二葉さんって、どんな人なんですか?
やはり…ヤクザ…とか」


三咲さんの父親は、暴力団の組長。


三咲さんは、かたぎだけど。


「ん?広子ちゃんそんな怖がらなくても、大丈夫だって!
俺、二葉君って呼んでんだけど、弟思いの優しい兄ちゃんだし。
そりゃあ、俺と違ってうちの組入ってるけど」


「そうそう。二葉さん、いつも冗談ばっかり言ってて、明るくて楽しい人だし」


成瀬もそう言っていて。


再び、三咲さんに目を向けると。


その童顔を見て、お兄さんもこの人に似ていたりするのかな?とか思った。


それなら、怖くないかな?
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