LOVESS

『ほんと、今だに斗希と仲を復縁させようって奴が多くて、けっこう参ってる。
こないだ後輩に誘われて飲みに行ったら、
ニアミスで斗希に会う所だった』



周りは、篤と斗希との絶縁の理由を知らないから、

そうやって色々と二人を仲直りさせようと躍起になっている。


篤がその絶縁の理由を周りに隠すのは、
それを知った斗希との共通の友人知人が、
斗希を嫌わないようにだけど。


同じように斗希も周りにその理由を話さないのは、
女性である篤のお姉さんの方が、レイプされたと周りに知られて傷つかないように。


もっと違う事だったら、斗希の方は周りに話してただろうな。


だから、篤は怒っているし、
お前らも、篤と同じようにそんな俺に怒れって。


『それより、GWお前どうする?
LINE見ただろ?
例のバーベキュー』


そう言われ、思い出した。


寝る前見ていた、グループLINE。


そのグループ名は、【成瀬企画】で、
実際、俺はその会社には全く関係ないのだけど。


いつだったか、篤が大学受験の勉強で、
成瀬さんや広子に勉強を教えて貰っていた時に出来た、そのグループ。


初めは、成瀬さん、広子、篤。


そして、未央ちゃんという、後に俺の憧れのナツキさんの奥さんになる子の、四人で始まったそれ。


その後は、そこにナツキさんが加わり、
なんでか俺も加わった。


けど、そのグループLINEのおかげで、
音信不通になっていたナツキさんと、俺はまた繋がれた。



ナツキさん、ホストを辞めると同時に、ナツキの名前で知り合った人間関係は全てリセットして、
田舎に帰って行ったから。


だから、ナツキさんと呼んだら怒るから、
現在俺はあの人を、本名で呼んでいる。


< 6 / 42 >

この作品をシェア

pagetop