音のないこの世界で

数分してから麗音達は更衣室から出てきた。
出てきた瞬間、太陽がふたつに増えたのかと思ったくらい輝いていた。ヒラヒラのレースのついた水色のビキニにフードのついた服を上から羽織っていた。
茜の方は智に聞いた方がいい感想が出てくる。
「おい。この水着この前二人で今日のために買ったんだぞー？湊ーなんかないの？」
茜が僕にからかうようにそう言ってきた。少し照れくさかったが手話で「似合ってる｣とだけ伝えた。口で言っていたら死にたくなるところだった。
今度は麗音が「ありがとう。そっちも似合ってる」と言ってくれた。照れくさかったので話をそらすために智に話題を降った。
「んで、どうなんだ？智。」
言われるとは思ってなかったらしく顔を真っ赤にしながら、
「茜も似合ってるぞ」