音のないこの世界で
それから1時間くらい教わったあと教室をでた。
「いやー。思ってた以上に手話って難しんだな」
確かに僕も初めは想像してたよりも断然むずかった。だから日常会話を話すのでさえ2ヶ月くらいかかった。
「慣れれば楽だよ」
本当に慣れれば楽なのでそのまま助言しておいた。
「あ、お金!払わなくていいの?」
茜がハッと思い出したかのようにそう叫んだ。
「分からないけど、僕は時々お菓子なんか買っててるけど。麗音のおばあちゃんに麗音のために来てるから金なんか取れるかって前言われた。」
お金のことは僕には分からないけど、僕がどうしてるかを答えておいた。
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