音のないこの世界で
麗音達のクラスは2年3組だった。教室に入ると洋風な街並みが広がっていて、ちゃんと風景が作り込まれていた。
一気に自分達の服装が場違いになった気がした。
今日はシャツにジーパンというシンプルな服装できた。智も似たような服装だ。
「2名様入りまーす!」
まだ仕事ではないと言っていた茜がそう言った。
「いらっしゃいませー!」
そして、辺りを見渡すと麗音はいなかった。
「茜ー。麗音は?」
「あー、麗音はね……。裏方で料理してる!」
「へー」
やっぱりそうだよな…。連携が取れないからだろう。こればっかりはしょうがない。
「まあ、安心してくださいお客様!裏方でもちゃんとメイド姿ですから!とびきり可愛いよ!」
僕の返事が落ち込んでいると勘違いした茜がそう言った。
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