音のないこの世界で
『今日の太陽』とのお別れをしていた日々。
麗音から打ち明けられた麗音の両親の話。
僕の小学生の頃の両親がまだ仲の良かった時代の思い出。
麗音と智と茜と僕の4人で行った旅行の思い出。
麗音のため、自分のために行動してきたこの2が月間の日々。
麗音の奏でるピアノと綺麗な声を聞きながら、自分の人生記を読んでいるみたいな気分になり気づいたら目から涙が出ていた。その涙は拭いても拭いても止まることなく流れ出てきた。でも、全く恥ずかしいとは思わなかった。
「…………」
麗音の3曲目の演奏が終わると麗音は椅子から立ち上がり深々とお辞儀をした。そして数分間、顔をあげることはなかった。その間拍手が絶えなかった。体育館の端から端までいる全ての人が一人一人拍手をしていた。
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