音のないこの世界で
拍手が止みステージに幕が降りると再び体育館が静まり返った。すぐにアナウンスの人から声がかかり体育館にいた全ての人が我に返った。
「えーっと……。これで全ての発表を終了します。3時間後に後夜祭がありますが、強制参加ではありません。本校の生徒の皆さんは参加したい人のみ参加となります。その他の人は後3時間でこの学校にはいられなくなりますのでご注意ください。」
僕はすぐに麗音に会いに行きたくてたまらなかった。
「麗音のところ行こう!」
智と茜に呼びかけたが2人共固まっていたので軽く肩を叩いた。
「あ、ごめん。そうだな。行こう!」
「あ、そうだね。でも、あそこ関係者以外立ち入り禁止だよ?」
あそこ、というのは体育館のステージ横の待機場所だろう。
「あ、そうなのか。」
とりあえずLINEをしてみることにした。
『色々終わったら体育館出たところで待ってるから』
とだけ送っておいたが僕にはまだやることがあった。
それは麗音のお父さんを麗音に会わせることだ。
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