冷徹御曹司の最愛を宿す~懐妊秘書は独占本能に絡めとられて~
匠馬のなけなしの理性を、あっという間にかっさらっていった。
「やっ、そんなとこ……ダメ、怖いです」
「大丈夫。気持ちいいことしかしない」
「あ……っ、んんッ」
腕の中で身もだえる澪は、綺麗で色ぽくて、たまらなく興奮した。自分がこんなにも欲情するなんて、思いもしなかった。我を忘れ、彼女をむさぼった。普段とのギャップもたまらなくよかった。
(お堅いあいつが俺の手の中で女になってる。くそっ、可愛すぎだろ)
「あっ、しゃ、ちょ……っ」
「匠馬だ、澪……」
「匠馬、さん?」
「良い子だ」
自身が匠馬をそこまで追い込んでいることには、恐らく気づいていなのだろう。だがそれもまたいい。
時間も忘れ、互いの熱を上げあうように、深く深く溶け合ったーー。
翌朝。
目が覚めると澪はいつもの澪に戻っていた。三つ指を突き正座で匠馬がシャワーからでてくるのを待っていた。いつの時代だと突っ込みたくなった。同時に、澪を懐柔するには、時間がかかりそうだと嘆息した。
(長期戦でいくか)