冷徹御曹司の最愛を宿す~懐妊秘書は独占本能に絡めとられて~
本郷邸を訪れてから数日後。
自宅にたくさんの荷物が届いた。送り主は喜和子で、しかも美雨宛て。中を開けてみると、そのプレゼントに驚いた。どれも二か月の美雨にはミスマッチなものばかりなのだ。
「何これ……」
中には、高級そうな靴にブランド物の洋服、バッグなどがたくさん詰め込まれていたのだ。
どれもサイズ的にあと5~6年は使えそうにない。バッグなんて、普通の人では絶対に手が届かないようなもの。これを2か月の赤ちゃんに?
「ったく、どんな感覚してるんだ」
気づいた匠馬がそれを見下ろし、困った顔で笑っている。かなり浮世離れしている感じはあったが、ここまでとは……。
もしかしてステーキが入っているんじゃ!? と慌てて段ボールをひっくり返したが、さすがになかった。
「これどうしようか。返すのも悪いよね」
「しまっておけばいいさ。あの人はちょっと社会というものを勉強するべきだな」
そう言って、機嫌よく「あうあう」と喃語を話す美雨の元へ行ってしまった。とりあえず洋服類はしまっておいて、バッグは返却しよう。