冷徹御曹司の最愛を宿す~懐妊秘書は独占本能に絡めとられて~


◇◇◇

「可愛い。とりあえずキープで。次」
「はい。かしこまりました」

40代くらいの女性が二人、澪にかかりっきりでドレスを試着させる。澪はなにがなんだかわからずされるがまま。

家を連れ出されたと思ったら、いきなりハイブランドのショップへ連れてこられ、今に至る。匠馬が適当に選んだドレスを着せ替え人形のように、次から次へと試着させられているのだ。

「あ、あの社長?」
「なんだ」
「どうしてこんなドレス……」

試着室の中でおろおろする澪を満足げに見つめる匠馬に、恐々と尋ねた。こんな高級なお店入ったこともなければ、覗こうと思ったこともない。値段だって一桁違うし、店員からして品行方正で直視できないくらい眩しい。


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