冷徹御曹司の最愛を宿す~懐妊秘書は独占本能に絡めとられて~
第四章 運命を宿して
その日を皮切りに、澪の体調はどんどん悪くなっていた。
朝は異常なほど吐き気がし、疲れやすく、仕事中も眠たくてたまらなかった。
「……ということだ。神谷? 聞いてるか?」
匠馬の声ハッとする。大事な打ち合わせ中にもかかわらず、澪はうとうとしていたのだ。
「申し訳ありません!」
「どうした。らしくないな」
匠馬はプレジデントデスクの上で肘を突き、目の前にたつ澪を疑うような目で見ている。
あのパーティーで匠馬に迷惑をかけてしまい、反省したばかりなのに。何をやってるのだろうと自己嫌悪に陥る。
「何か困ってることでもあるのか?」
「いえ……そういうわけでは」
きっと疲れているのだろう。明日の休みはゆっくりしよう。
「あの、それで先ほどなんとおっしゃったのでしょう」
「最近、宿泊の無断キャンセルが各地で続いているそうだ。視察をかねて行ってみようと思ってる」
「無断キャンセルですか」
「それもかなりの客室を予約して当日こないという事案が多発しているらしい。連絡しても繋がらないと、スタッフが困っているようだ」