三ツ橋神社
序章
ミーンミンミンミー...
『...あつ...』
夏休みの全校出校日。
校長先生の長い長い話を終えて道路を歩く。
カバンからスマホを取り出し、お父さんからのラインを開く。
(( 明日からお盆だから、美代の実家に行くぞ。泊まりだから準備しておけ。
美代とは、私の死んだ母の名前。
10年前に亡くなっていて、当時私は6歳だった。
高校一年生になった今、お母さんの事はあまり覚えていない。
『お母さんの実家ね...。』
確か三ツ橋島だっけ。
行くのは明日が初めてだけど。
スマホをポケットに入れて家に向かって歩き出した。
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