冷徹弁護士の独占欲にママとベビーは抗えない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
褒めてもらえてるのよね、これ。
「あ、ありがとうございます。でもまったくお支払いしないのは申し訳なくて。八木沢さんがいなければ泣き寝入りでしたから」
そう言うと、彼は考えだした。
「それじゃ、ひと部屋、仕事を請け負ってくれ」
「インテリアコーディネートをするんですか?」
「そう。俺、そういうことに無頓着で、必要最低限の家具しかないんだよね。で、散らかってる。掃除も含めてよろしく」
八木沢さんの部屋の?
「掃除は得意ですし、インテリアコーディネートさせていただけるなんて、すごくうれしい」
職場を去り、経験を積む場所がなくなってしまった今、こうした依頼はありがたい。
「そう? それじゃ、土曜にここに来い。俺しか住んでないから」
彼は名刺の裏にすらすらと住所を記入する。
「はい、承知しました」
「じゃ、帰るか」
彼は少しネクタイを緩めてから、エンジンをかけた。