冷徹弁護士の独占欲にママとベビーは抗えない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
もちろん、コーディネートの質を高める必要はあるけれど、そのときにあの家具がいい、このカーテンがいいと思いつく力や、実際にそれをそろえられる力も必要だ。


「あとは、うまくいかなくても諦めない根性。それはあるみたいだし」
「でも私、逃げましたよ」


会社や園田部長たちを相手に訴訟を起こそうとしたことを指していると思ったのでそう返すと、彼は首を横に振る。


「普通は闘おうとはしない。それに、逃げたのは正しい判断だった」


嫌みのひとつでも食らうかと思ったのに、励ましてくれているようだ。


「はい。でも、いい結果にたどり着いたのは八木沢さんのおかげです」
「だな。だから結婚しよう」
「は?」


話が堂々巡りだ。


「児玉さんにずっと付きまとわれていて業務に支障が出ている。ここは結婚でとどめを刺して、通常の生活に戻りたい」

「そんな、最終兵器みたいじゃないですか、私」


思ったことを漏らすと、彼は肩を震わせる。
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