冷徹弁護士の独占欲にママとベビーは抗えない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
「そ、最終兵器。その代わり、起業できるだけの資金は俺が用意する。俺のマンションを基点にして働けばいい」


正直、起業できるなんて、今すぐに飛びつきたいほど魅力的な条件だ。

でも、結婚だよ?


「八木沢さん、私なんかと結婚したら後悔するんじゃないですか?」


大体あんなマンションに住めるような稼げる弁護士なのだから、いくらでも手を挙げる女性はいるはずだ。

児玉さんはお断りしたとしても。

尋ねると、彼はキリリとした表情になり私をまっすぐ見つめる。

な、なに?

絡まる視線が熱くて動けない。

私にさらに近づいた彼は、耳元で話し始める。


「七緒となら、後悔しない」


甘いため息交じりの声で、しかもいきなり下の名前で呼ばれたせいで、心臓が口から飛び出してきそうなくらいに暴れだした。


「俺と、結婚してくれ」


本気のプロポーズ?


「え……」
「七緒は俺と結婚するのは嫌?」
「嫌じゃ、ないですけど……」
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