冷徹弁護士の独占欲にママとベビーは抗えない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
なんで録音なんてしてるの?

慌てて奪おうとするも、背の高い彼に手を上げられたら敵わない。


「証拠集めは重要だと話しただろ」

「それとこれとは別でしょう?」

「なにが別なんだ。とにかく結婚は決まった。家事は分担してもいいけど、俺、カップラーメンしか作れないから。あと片づけも嫌い」

「知ってます」


今さらでしょ。


「追加の食費な。入籍したら七緒名義のカード作るから。俺、ニンジン嫌いだからよろしく」


八木沢さんは私の手に一万円札を三枚握らせる。

それは食事にニンジンを入れるなと言っているの?
ニンジン三昧にしてあげるわ!


「あ、まずい。もう出るから。それじゃ」
「えっ、待っ……嘘……」


彼は腕時計を確認して、慌ただしく出ていってしまった。



二時間後。


「私、なんで素直に……」


八木沢さんのマンションでハッと我に返る。

近所のスーパーで夕飯の買い物をして、大好きなカッシーヌのソファに座っていた。
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