冷徹弁護士の独占欲にママとベビーは抗えない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
「関係ないわけないだろ。お前の妻なんだ。笑えるくらいデレてるお前、嫌いじゃなかったんだけど」

「いつデレたんだ」


言い返したが、心当たりがないわけではない。

結婚前は七緒を手に入れるのに必死だったし、夫婦になってからは終業時間が気になって仕方ない。
早く帰りたいからだ。


「マスコミはなんでもする。彼女のところにも押しかけるかもしれない。そうした動きがあると、マンションの住民が嫌がる。平穏な生活ができなくなるんだぞ」

「そのときは、プライバシーの侵害で訴訟を起こすよ。九条、頼むな」


俺はデスクの上の書類をペラペラめくりながら言った。

動揺を悟られたくなかったからだ。


西岩建設のやり方は、誰がどう見ても不愉快で、会社側に非があるとしか思えない。

圧力をかけるのに失敗して訴訟に発展すると、従業員の些細なミスを大きく見せて、会社は悪くないと主張するのがいつものパターンだ。
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