冷徹弁護士の独占欲にママとベビーは抗えない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
その言い方がおかしくて笑みがこぼれる。
「西岩の件については、七緒はもうなにも考えなくていい。ゆっくり休んで」
「はい」
私は彼の腕の中で目を閉じた。
その後は報道合戦がすさまじく、西岩建設も謝罪会見を開き、テレビのニュースでもその模様が流れた。
会見には彬さんも同席していて、弁護士も批判の対象となると話していた九条さんの言葉がよくわかった。
どう見ても西岩建設の味方だからだ。
私は切迫早産と診断されたものの、お腹の張りもあまり感じず、診察でも異常はなし。
あの日はよほどショックを受けたのだと思い知った。
軽い家事なら許可されたが基本的に安静のため、通院以外は外にも出ず、ネットスーパーやデリバリー、あとは彬さんに頼る毎日。
そのおかげか、彬さんはゴシップ誌に追いかけられているようだが、私にまで被害は及んでいない。