冷徹弁護士の独占欲にママとベビーは抗えない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
きっと彼は私が傷つくのを一番嫌がるはずなので、通院時も細心の注意を払っている。


今日はとても調子がよく、彬さんの苦手な片付けをしていた。

洗濯はしてくれるようになったが、まだジャケットを脱ぎ捨ててあったりするのだ。


あれっ……。

ソファにあったジャケットをハンガーにかけようとすると、内ポケットになにか入っているのに気がついた。


「写真?」


色あせたその写真には、幼稚園の制服を着た男の子と両親らしき人が笑顔で写っている。

これ、彬さんかな。

男の子の目元が彬さんを彷彿とさせる。
まだ顔が丸くてかわいらしさが前面に出ているが、黒目がちな目は彬さんそのものだ。


「かわいい」


普段はどちらかというとクールな彼の、かわいらしい表情が新鮮すぎる。

胸にはチューリップの形の名札がついていて、あの彬さんがチューリップ!とニマニマしてしまった。

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