冷徹弁護士の独占欲にママとベビーは抗えない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
見上げた空には幸福の雨 Side彬
「行ってらっしゃい」


いよいよ第三回口頭弁論当日。
櫂を抱いた七緒は玄関まで見送りに出てくれた。


「緊張してる?」
「してないです」


あきらかに顔を引きつらせているのに、強がる我が妻は本当にかわいい。


「へぇ、表情筋固まってるけど」


七緒の頬を軽くつまむ。


「彬さんは、なんで平気なんですか?」
「お前が信じてくれるから」


そんな質問、即答だ。


「私が?」
「あの発言、嘘なのか?」
「ち、違いますよ!」
「やっぱり違うんだ」
「そっちの違うじゃなくて!」


ちょっといじめると、慌てふためいている。

わかってるよ。
お前が俺を信頼してくれていることくらい。


「大丈夫だから、どんと構えてろ。櫂を頼むな」
「はい」


顔をこわばらせながらも口角を上げた七緒と、彼女の腕の中でご機嫌にしている櫂の頬にキスをしてから裁判所に向かった。



「おぉ、悪いな」

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