冷徹弁護士の独占欲にママとベビーは抗えない【極上悪魔なスパダリシリーズ】
エピローグ
西岩建設の訴訟から完全に手を引いたおかげで、私たちに穏やかな生活が戻ってきた。

彬さんは毎週末のように私と櫂を外に連れ出してくれる。

それも、妊娠中は切迫早産で家から出られず、そして出産後はゴシップ誌にまとわりつかれたせいで、罪でも犯したかのように周囲を気にしながらのお出かけしかできなかったからだ。

まだ歩けない櫂だけど、彬さんに抱かれて外に出るととても楽しそうだ。

もう少し大きくなったら、三人で公園デビューすると決めている。


口頭弁論の日。

緊張して送り出したのに、彬さんはケーキを買って帰ってきた。
しかも大きなホールケーキだ。

一瞬、西岩建設が有利になったのかなと思い複雑な気持ちだったが、結果はまるきり逆。

お父さまも過労死が疑われると印象づけたというから驚きだった。

しかも、被告代理人を即辞任したとも聞き、あんぐりと口を開けるしかなかった。

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