桜色オレンジ
小さい頃から紫花は奏橙くんにベッタリだった。
けど、奏橙くんはわたしのこともちゃんと気にかけてくれた。
「桃花ちゃんも一緒に行こう?」
「う、うん」
その度に紫花から睨まれていたけど、奏橙くんの前ではいい人で居たいから仲のいい振りをする。
元々勉強やスポーツがそこそこ出来てた紫花は中学に上がると同時にもっと伸ばせるように海外に引っ越した。
わたしは日本に残り、その間はおじいちゃん家にいた。
おじいちゃんとおばあちゃんは、紫花よりわたしを可愛がってくれていた。
家でのわたしの扱いも知っていて、一緒に住まないか?って話も提案してくれていたけど両親がそれを許さなかった。
両親から離れ、おじいちゃん家での生活は楽しかった。