桜色オレンジ
紫花もいない、両親もいない。
友達から比べられることもなく平和な学校生活が送れていた。
中2の夏休み、奏橙くんと図書館で勉強した帰りのこと。
「…桃花ちゃん、少しだけいいかな」
「、なに?」
「.......小さい頃から桃花ちゃんの事が好きです。
僕と、付き合ってもらえませんか?」
「わ、わたしで…良ければお願いします」
ずっと、ずっと好きだった奏橙くんと付き合えるなんて…
嬉しくて涙が止まらなかった。
それはもう、紫花達のことなんか忘れるくらいには。
*
*
奏橙くんとお付き合いを始めてから数ヶ月経った頃。
周りはクリスマスに向けての飾り付けがされていた。
「付き合って初めてのクリスマスだから、どこか遊びに行きませんか?」
「うん!どこがいいかな?」