桜色オレンジ


「そうだ桃ちゃん、来週から私も桃ちゃんと同じ学校に行くからね!」

「…え?」

「奏くんと同じ高校に行く為に戻ってきたんだもん!
奏くんがどこの高校に行くか分かんないし、偏差値足りるかも分からないから予定より早く戻ってきたの!」

「…」

奏橙くんと、同じ高校に行くため。
奏橙くんは偏差値の高い東高校に行くって言ってた。

別に今戻ってこなくても…というか心配しなくても紫花の頭なら余裕で行けるのに。


「まあどこの高校を選んでも紫花なら大丈夫だろう」

「そうね、紫花ちゃんなら大丈夫よ」


約2年会っていなかったけど、両親は相変わらず紫花を溺愛している。
離れたところで何も変わっていなかった。


分かってたはずなのに。

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