桜色オレンジ
「奏くん、私が帰ってきたって知ったらびっくりするかなー!?ねっ、桃ちゃん!」
「う、うん…」
とてもじゃないけど奏橙くんと付き合ってるだなんて言えなかった。
海外に行っても紫花が奏橙くんを好きな気持ちは変わっていなかったんだ。
「それよりお腹すいちゃったなー、パパ、ママどっか食べに行こーよ!」
「そうね、桃花はお留守番しててくれる?」
「…うん」
そう言ってお父さん達は出掛けに行った。
その間にわたしは奏橙くんにメールを送った。
【紫花が帰ってきた】
と。いくら待ってもその返事が来ることはなかった。
*
*
月曜日、紫花が隣のクラスに転校してきた。
「えっ、隣のクラスの転校生って椎名さんのお姉さんなの?」
「双子なのに変じゃない?」
と周りから色々噂をされている。