桜色オレンジ



「桃花ちゃんごめん、メール返せなくて…。」

「ううん、大丈夫だよ」

「奏くーん!!」


休み時間、紫花は直ぐにわたしのクラスへやって来た。


「奏くん久しぶり!私のこと覚えてる?」

「うん、もちろんだよ」

「良かったー!今度色々話聞かせてね!」

「…うん」


わたしと奏橙くんが付き合っていることは、クラスの人のほとんどは知っていた。
けど、この状況を見てみんな困惑している。


「なぁ、櫻お前椎名と付き合ってるんじゃねーの?」

授業が始まる前、紫花が教室に戻ると直ぐに奏橙くんの周りに集まった。


「そうだよ」

「じゃあなんであの人めっちゃくっついて来てんだよ」

「それは…」

「それは?」

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